コロナ禍の医療従事者を対象に、WEBアンケート調査を実施しましたので、下記の通り報告します。
性別、職種、コロナ禍で、職場での悩みや怒り、気分の落ち込みの改善に役立った、または役立ちそうな映画作品名(最大3作品まで)、回答した映画はどのような映画だったか(笑えた、泣けた、嫌なことを忘れられた、ストレスに気付くことができた、人を信頼できると思った、人間関係をもっとよくできると思った、自分の感情を表に出そうと思った、1日1日をより大切にできるようになった等)です。
2021年11月12日(金)~11月14日(日) 楽天インサイトによる医療従事者を対象としたWEBアンケート調査
男性149名、女性169名の総数318名の医療従事者から回答が得られました。年代は30代以下が159名、30代以上が159名、医師が83名で看護師が164名でした。集計結果は下記の表に示します。
調査期間当時に大ヒットした鬼滅の刃の他、「きのう何食べた?」「老後の資金がありません」など公開中だった映画が上位を占めた結果となりました。直近で観た映画が印象に残り、回答結果に影響したことが考えられます。しかしながら、「ショーシャンクの空に」や「となりのトトロ」、「ライフイズビューティフル」など往年の名作も挙がり、これらがコロナ禍の医療従事者の傷つきを癒す要素を持っている可能性がありました。また、「プラダを着た悪魔」「マイインターン」はどちらもアン・ハサウェイが主演で、女性が仕事を通して自己実現したり、家族の大切さに気付くなどの共通点があります。医療従事者が仕事や家族など、自分に重ねて共感できる内容が多くあったのではないかと思われます。 これらのことから、コロナ禍の医療従事者の傷つきを癒す映画の要素として、主人公が置かれた立場(仕事など)で大変な出来事が発生しつつも、それを乗り越え、自分の人生で大切なこと(家族など)に気付くといったような内容が重要であることが示唆されました。本調査を基に、コロナ禍の医療従事者のモラルの傷つきを護る映画研究を進めていきます。
コロナ禍の支援者における「モラル」を考えるシンポジウム-対立と葛藤を越えて-を開催し、哲学、医学、看護学、心理学の幅広い立場からコロナ禍における「モラル」についての問題や対応方法を検討しました。